北風~小僧~のかんたろ~♪

彼女が、「北風~小僧~のかんたろ~♪」と歌ったので、俺もついつい「かんたろ~!!」と合いの手を入れた。それに大喜びした彼女は、デートの度に期待に輝かせた目で俺を見つめながらかんたろうを歌うようになってしまった。当然毎回合いの手を入れる俺。そろそろ勘弁して欲しいと思ったので「かんたろうはちょっと飽きちゃったな」と言うと、しょんぼりして彼女が言った。

「そうだよね。普通の人ならとっくにうんざりしてるよね。○○さんは私への愛の力で今まで一緒に歌ってくれてたんだよね」

そんな……愛の力とか言われたら……。結局愛の力で歌い続けることを決心した。